海賊版カードゲーム、調達責任者に無罪判決

J200404Y2 2020年5月号(J249)
    チェーン店の光南大批發連鎖店(Kuang Nan Fashion Shop、以下「光南」)は2012年からカードゲーム「UNO」の販売を始め、2017年に美泰兒股份有限公司(Mattel Taiwan Corporation。UNOの製造元である米マテル(Mattel,Inc.)の関連企業)の営業主任が光南で買い物をしていたとき、陳列棚に模倣品のUNOが陳列されていたのを見つけ、商標法違反で通報した。模倣品と入荷明細が押収され、光南の調達担当である陳〇〇経理(訳注:中国語の「経理」は部長に相当)は商品が模倣品だとは知らなかったうえ、かつサプライヤも合法的な販売を保証する誓約書を提出していたと供述しており、知的財産裁判所は無罪判決を維持し、本件判決は確定した。
    マテル社は2009年6月1日に、知的財産局からUNOの商標権(存続期間は2019年5月31日満了)を取得した公告を受けている。仕入れ伝票によると、光南は2012年9月から2017年11月までの期間に上昇文具有限公司(Sun Up Stationery Co., Ltd.、以下「上昇公司」)からそれぞれ単価24新台湾ドル、72新台湾ドルで仕入れた模倣品「UNO」7万8405箱、「UNG」883箱を総額194万5296新台湾ドルで仕入れて、単価40新台湾ドル、90新台湾ドルで全国の光南店舗にて陳列販売しており、検察側は調達担当の陳〇〇を商標法違反で起訴していた。
    裁判所は調べた結果、光南と上昇公司の取引は10年以上に達し、仕入れ前にはいずれも商品が合法かを問い合わせており、上昇公司は合法であると示した他、川上のサプライヤである旺比有限公司(WON-B Co., Ltd.)の誓約書も提出しており、そのUNOの版権に問題がないことを保証していたことから、陳〇〇が模倣品を調達したことを知らなかったとの供述は信用できると認めた。光南は24新台湾ドルで上昇公司から仕入れており、2015年から2017年までの期間も単価23新台湾ドルで川上業者の昇洋文具禮品有限公司(Sheng Yang Stationery Gift Co., Ltd.)から仕入れており、両者の見積価格に顕著な差はなく、陳〇〇が市場価格差のために上昇公司から模倣品を購入したとは認められない。
    裁判所は判決の中で、検察官は起訴の犯罪事実に対して、証拠を提出し、説得する実質的挙証責任を負うべきであり、被告人には自ら無罪を証明する義務はなく、陳〇〇が他人の商標権を侵害して商品を販売したことを主観的に「明らかに知っていた」とは認定できないため、無罪推定原則に基づいて無罪を維持し、判決を確定すると述べている。(2020年4月)
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