知的財産局が「2018年国家発明創作賞」を授与

J190426Y1 2019年5月号(J237)
    知的財産局のニュースリリースによると、4ヵ月にわたり「2018年国家発明創作賞(National Invention and Creation Award)」の厳正な審査が行われた結果、発明賞の金牌6点、銀牌20点、創作賞の金牌5点、銀牌10点、合計41点に上る優秀な専利(訳註:中国語の「専利」には特許、実用新案、意匠が含まれる)作品が選抜され、2019年4月26日に授賞式が行われたという。今回の受賞作品の多くはすでに商品化されており、市場潜在力と大きなビジネスチャンスを具えている。専利の商品化と産業化を通じて、イノヴェーション保護の経済効果をもたらしている。
    受賞作品は多岐に渡り、「オプトエレクトロニクス液晶」、「情報通信」、「バイオ医薬」、「医療器材」、「繊維技術」、「スマートマシン」及び「循環経済(サーキュラー・エコノミー)」等の産業分野をカバーし、台湾産業のニーズに応えており、革新性と高度な実用価値だけではなく、市場潜在力と大きなビジネスチャンスを具えている。
一、半導体とオプトエレクトロニクスは、技術で再び優位に
    半導体産業は台湾の経済発展を牽引する重要な産業であり、台湾が世界に誇る国際レベルの産業でもあり、オプトエレクトロニクス産業もたゆまぬ革新とブレークスルーを続けており、産業の原動力の向上を促している。発明賞において、半導体関連の受賞作品「電圧制御可能な光学デバイス及びその製造方法(原文:可電壓控制之光學元件及其製備方法)」は半導体高インピーダンス材料層を利用して、漸変の分圧効果を生み出し、漸変電場で液晶分子の配列を制御して、優れた集束の質を達成する。同時に製造工程は現存のTFT-LCDとは完全に互換性があり、裸眼立体、明視野フローティング表示、3D内視鏡、ARグラス等のようにモードやサイズが異なる様々な液晶レンズに適用される。すでに多くのオプトエレクトロニクスメーカーに技術移転されており、今後市場で発展する極めて大きな潜在力を具えている。
    さらに光学測量関連の受賞作品「分光器、分光器用ウェーブガイドの製造方法及びその構造(原文:光譜儀、光譜儀的波導片的製造方法及其結構)」は、世界で初めて半導体と微小電気機械システム(MEMS)の技術を分光器のウエハウェーブガイドに応用したもので、研磨、ダイシング、組立位置決め及び量産性等の課題を同時に解決することで、歩留まり率を95%にまで高め、製造コストを削減できた。これにより、技術面で同業者をリードし、市場競争において優位に立つことができる。
二、バイオ医薬は研究開発で卓越さをを示す
    バイオ医薬産業は台湾当局が推進する「5+2産業」政策における産業の一つであり、たゆまぬ研究開発を通じて産業のレベルアップを図り、経済成長を牽引するとともに、人々の健康と福祉を支えようとしている。発明賞におけるバイオ医薬関連の受賞作品「カルチノイドの医薬組成物(原文:類胡蘿蔔素的醫藥組合物)」は、トマトから抽出したカルチノイドから前立腺肥大を治療する植物由来医薬品であり、すでに台湾と米国で第III相治験が行われており、将来製造販売承認を得た暁には、世界で初めて前立腺肥大症に適用される経口の植物由来新薬となり、大きな市場潜在力を具える。
    さらに受賞作品「キノキサリン化合物、それを調製する方法およびその使用(原文:喹㗁啉化合物,其製造方法及用途)」はキノキサリン誘導体がRAFキナーゼの活性を有効に阻害し、BRAF遺伝子変異陽性癌細胞を選択的に死滅させることができ、低投与量の経口投与において顕著に腫瘍の生長を阻害することができる。(この特許明細書に「本発明の好ましい実施態様」として記載されている)すべてのキノキサリン化合物についてインビトロ、インビボにおける抗癌活性及び薬物安全性がいずれも市販されているベムラフェニブやダブラフェニブに比べて優れており、国際競争力と開発の価値を具えている。現在すでに特許実施許諾が完了している他、米FDAに対する試験用新薬(Investigational New Drug,IND)申請が無事に許可されている。将来はコンパニオン診断試薬と組み合わせて、BRAF 遺伝子変異陽性癌患者に有効で安全な精密医療の医薬品を提供していく。
三、スマートマシンは革新でレベルアップ
    台湾当局は近年「スマートマシン」を推進しており、精密機械の発展の成果と情報通信技術の原動力をベースとして、スマート化に関連する技術を導入し、スマートマシン産業の新たな生態系を構築しようとしている。発明賞において、光学関連の受賞作品「工作機械の加工品質の予測方法(原文:工具機之加工品質的預測方法)」は、自動バーチャル測定(AVM)システムを用いて、オンラインでリアルタイムに製品の品質を予測し、機械の効率を制御して製造工程を改善し、重大な損失の発生を回避できる。それによりスマートシステムで機械装置が良好な作業効率を確保できるようになり、スマート革新の強みを発揮して、産業競争力を大幅に向上させることができる。
    さらに機械関連の受賞作品「太陽光発電システムの自動太陽光追尾調整制御装置(原文:太陽能發電機組之自動追日調控裝置)」は、十字2軸、ワイヤー、滑車、リール等の部品を利用して、ソーラーパネルがX軸とY軸の周りをそれぞれ180°近く回転でき、±0.5°という微小な角度で精確に追尾できるため、(パネルを傾斜させて互いに遮蔽させない)最大の角度と日照量で、発電効率と送電網利用率を大幅に高めると同時に、優れた耐震性と耐風性を具えている。この受賞作品は世界40ヵ国余りで特許や賞を獲得している他、すでに国内外で応用され、バイヤーから高い評価を広く受け、スマート革新の応用で成果を上げている。(2019年4月)
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