清華大学が無毒の「半導体高分子ドット」を開発

J180804Y5 2018年9月号(J229)
  国立清華大学化学工学科(National Tsing Hua University/Department of Chemical Engineering)の周鶴修(Ho-Hsiu Chou)助教授の研究チームが無毒の「半導体高分子ドット」の開発に成功した。これにより可視光を利用してクリーンで再生可能なエネルギーとしての水素を生産することができる。すでに台湾と米国での特許出願に着手しているほか、国際的に著名な触媒関連の機関誌「ACS Catalysis」に研究成果が掲載された。
  研究チームの(論文)著者の一人である張之勵(Chih-Li Chang)氏によると、従来の水素生産技術研究では通常、遷移金属を助触媒として添加して反応効率を高めるが、システムの毒性が高くなるという懸念があり、その点、この種の高分子ドットは高効率と無毒性を同時に提供できるという長所を有するという。
  周助教授によると、シクロメタル化高分子ドットのデザインにより、毒性が高い助触媒を毒性の低い高分子ドット内に入れることで、従来の助触媒添加により毒性が増し、回収が容易でないという課題を解決でき、さらにこの種のドットはリサイクルできるという特性が有するため、循環型社会を実現でき、その応用付加価値を高めることができるという。光触媒で水素を生産する他、電解水で水素を生産するシステムや無機材料で水素を生産するシステムでも応用できる。米国、日本、ドイツ、中国等の国々では、徐々に天然ガスや石油を水素で代替し、水素利用をすべての産業で進める計画があり、さらに水素エネルギーを使う関連の計画によって、国家エネルギー戦略の水準を高めている。清華大学の研究チームによるこの研究成果とブレークスルーによって、台湾は今後の水素エネルギー開発レースにおいて確固たる地位を築くことができる。(2018年8月)
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