商標が「饗食天堂」に類似、知的財産裁判所は商標「鹼食天堂」に登録取消の判決

    2006年に成立された「饗食天堂」は国内でも有名なバイキング方式のレストランである。同レストランを経営する饗賓餐旅事業股份有限公司（Feastogether Corp. Ltd.、以下「饗賓餐旅公司」）によると、同社が所有する「饗食天堂」商標は2013年に知的財産局から著名商標として認定され、消費者に熟知されているという。その後2016年5月に黄○○医師から知的財産局に「鹼食天堂 Baso Cafe」商標の登録が出願されて許可された。饗賓餐旅公司は両商標が類似しているとして、前後して商標登録異議申立てと行政訴願請求を行ったが、いずれも棄却されたため、知的財産裁判所に行政訴訟を提起していた。

    知的財産裁判所は判決において、「饗食天堂」と「鹼食天堂 Baso Cafe」の両商標は全体の図案構成が類似していること、わが国は中国語圏にあり、両商標はいずれも「食天堂」の漢字を含み、違いは「饗」と「鹼」のみであり、外観が高度な類似に該当すること、呼称も類似し、極めて容易に消費者に誤認混同を生じさせること、さらには両商標の観念が類似しており、いずれも食品関連業務を経営する観念を伝達するもので、「鹼食天堂 Baso Cafe」商標は極めて容易に「饗食天堂」が新たに健康なアルカリ性食品の料理を提供すると消費者に誤解させることを指摘した。

    さらに判決で、「饗食天堂」商標は著名商標であり、外食業界においても知名度が高く、黄○○医師による「鹼食天堂 Baso Cafe」商標の登録は善意なるものではないと認められた。よって、饗賓餐旅公司に勝訴の判決が下され、知的財産局は「鹼食天堂 Baso Cafe」商標の登録を取り消さなければならない。本件はさらに上訴できる。（2018年8月）