業者が違法なSTBを販売、権利侵害額は1億新台湾ドル超

J180616Y3 2018年7月号(J227)
    ネット上で販売されている違法なセットトップボックス(STB)である「千尋盒子」は、購入すると映画、ライブ配信の番組及び国内外のドラマ等のコンテンツを無料で視聴できることを売り文句としていたため、国内、日本、韓国等の多くのテレビ局から権利侵害で警察に通報されていた。警察は2ヵ月余り捜索した後、機械室と関連会社を家宅捜索してサーバ40台余、STB百台余、携帯電話、パソコン、帳簿等の犯罪証拠を押収し、機械室を設置していた男とその妻並びにSTBの販売業者等6名に対して取調べを行い、それぞれ著作権法違反、風紀妨害等の嫌疑で送検した。
    警察は、「千尋盒子」がコンテンツデリバリネットワーク(Content Delivery NetWork)技術を利用し、さらに海外IPを偽装することで、様々な映画、日本ドラマ、韓国ドラマ、国内ドラマ、ライブ配信の番組等を大量かつ違法に複製、公衆送信していることを発見した。STB1台あたりの値段は3000新台湾ドル足らずで、有線テレビに類似したコンテンツをすべて無料で視聴できるため、視聴者は料金を払って番組を視聴しなくなり、国内映像ビジネスの生態系に深刻な影響を与えた。本件の損害額は概算で1億新台湾ドルを上回る。(2018年6月)
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