ゲーム会社が著作権を侵害、知的財産裁判所は84万新台湾ドル賠償命令の判決

J180523Y3 2018年6月号(J226)
    星宇互動娯樂科技股份有限公司(Loftstar Interactive Entertainment Inc.、以下「星宇公司」)は、代理している中国のオンラインゲーム「Fly High女神之歌」の中で60点の美術画像の著作権を侵害したとして、傳奇網路遊戲股份有限公司(X-Legend Entertainment Co., Ltd.、以下「傳奇公司」)から600万新台湾ドルの賠償請求訴訟を提起されていた。知的財産裁判所は、星宇公司及びその代表者である涂○光、陳○恬、沈○豪に対して84万新台湾ドルを連帯で賠償するよう命じる判決を下した。全件につきなお上訴できる。
    傳奇公司は以下のように主張していた。星宇公司は2015年6月に代理でリリースしたオンラインゲーム「Fly High女神之歌」において傳奇公司の「幻想神域」及び「狩龍戰記」におけるゲームの背景、建築物及び自然景観など合計60点の画像をコピーして侵害した。著作権侵害の内容に対して、「Fly High女神之歌」を開発した「中国の成都掌娯天下科技有限公司」(PalmJoys Technology Co.,Ltd、以下、「中國成都公司」)の美術スタッフも盗用したものであり、自らが創作していないことを認めている。画像1点あたりの開発にかかった人件費が少なくとも10万新台湾ドルに上ることから算出して、星宇公司に対して600万新台湾ドルの賠償を請求する。
    一方、星宇公司は次のように主張していた。著作権が侵害されたとされる噴水、石の階段、祭壇、アーチ型ドア、岩石等の3D美術画像はいずれも一般的なゲームでよく見られる建築造形と自然景観であり、創作の水準に達していない。ゲームがリリースされた後、傳奇公司の弁護士から通知を受け取ったため、先に黒い雲で侵害が疑われる画像を隠し、中國成都公司に削除するよう通知して、防止に尽力している。さらに中國成都公司と代理契約を結ぶ際にも、商品に知的財産権に係る紛争があるときは中國成都公司が責任を負うと契約している。よって(星宇公司に)著作権侵害の故意及び過失はない。
    裁判所は以下のように認めた。星宇公司はゲームを代理する前に、評価テストを行っており、報告書には大量のモジュールが他のゲームに高度に類似しているため、修正が必要であると記載されている。傳奇公司の弁護士からの通知を受けた後、すぐに資料を開発会社に提供して改善を要求しているため、侵害の故意はないと認定できる。ただし評価テストにおいて内容の権利侵害を発見できなかったのは、詳細な検査義務を果たしていなかったことを説明できるだけで、粗略な評価テストを以て権利侵害の過失はないと主張し、責任を逃れることはできない。その(60点の)うち42点の図形の著作物について権利侵害を構成していると認定する。美術画像の複雑さ、難易度及び創意の程度を考慮して、1点当たり2万新台湾ドルを賠償するのが妥当である。(2018年5月)
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