「BEING」商標権侵害で、アパレルネット販売業者に80万新台湾ドルの損害賠償を命じる判決

J180420Y2 2018年5月号(J225)
  統一佳佳股份有限公司(President Being Corp.、以下「統一佳佳」)は沅素股份有限公司(Yuansu Co., Ltd、以下「沅素」)が「BEING」を商標として使用し、ネット上でヨガウェアを販売して、統一佳佳の商標権を侵害したとして、賠償請求の訴訟を提起していた。知的財産裁判所は沅素の侵害を認め、沅素及び同社の代表者である王○○に80万新台湾ドルの損害賠償を命じる判決を下した。本件はなお上訴できる。
  統一佳佳は次のように主張していた。2008年にはすでに「BEING」商標を登録し、衣料品、水着等商品での使用を指定している。さらにBEINGの商標やBEINGに英語を加えた商標については、その他の商品区分での使用も指定して知的財産局に登録を出願している。よって「BEING」商標はすでに高い知名度を有しており、業界でよく知られたブランドとなっている。2017年4月、沅素が「BEING」商標を使用していることを発見し、内容証明郵便にて使用の停止を求めたが、相手方(沅素)はこれを取り合わなかった。2017年5月にネット上で沅素からウェア2点を購入したところ、いずれも「BEING」商標が使用されていたため、沅素が商標権を侵害しているとして訴訟を提起し、(販売単価の)1500倍に相当する334万8000新台湾ドルの損害賠償を求めた。
  一方、沅素は次のように主張していた。統一佳佳の「BEING」商標は「E」と「G」のみにデザインが施され、左から右に向かって横書きされているが、沅素が使用している「BEING」は手印(ムドラー)のデザインと文字が上下に排列されており、「BEING」の文字を単独でサイト又は商品に表示していない。両商標にはいずれも「BEING」という文字があるが、図案の外観、排列、字形、概念がすべて異なり、「BEING」はヨガの精神の本質を描写しているにすぎず、消費者に混同を生じさせることはないはずである。
  裁判所は判決において次のように指摘した。統一佳佳の「BEING」商標のアルファベット「E」は一節が短いものの、視覚的にはなお「BEING」である。さらに「BEING」は既存の英単語であり、沅素の手印の図案も発音できないため、「BEING」が両商標を識別する主要部分となっている。沅素がこの図案を用いて販売を行い、商標として用いていることは明らかであり、沅素が商標権を侵害していると認める。ただし、統一佳佳は侵害品が1500点を越えることを証明できず、さらに統一佳佳の「BEING」商品は会員にのみ提供され、一般消費者には販売されておらず、市場での流通性が低いため、裁判官は(侵害品単価の)1500倍の賠償額は高すぎ、400倍以上450倍以下が妥当であり、80万新台湾ドルが合理的な金額であると認定した。(2018年4月)
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