UCC商標争議、環球水泥に敗訴判決 最高行政裁判所としては稀に見る破棄自判、環球水泥のUCC商標が日UCCコーヒーと重複するため、登録取消すべき
J140708Y2.J140619Y2 | 2014年7月号(J179) 前のぺージに戻る    

 日本のUCCホールディングス株式会社と台湾の環球水泥股份有限公司(Universal Cement Corporation、以下「環球水泥」)との間で長年にわたり「UCC」商標の争議が続いていたが、最高行政裁判所は6月19日、知的財産裁判所第一次差戻審判決を破棄し、知的財産局の原処分及び経済部の訴願決定を取り消し、知的財産局に環球水泥の商標を取り消すよう命じる判決を下した。
 2010年3月、環球水泥は「UCC collection及び図」商標を金属小売卸売等役務における使用を指定するとともに、「collection」の部分について専用権を放棄する旨を声明して、知的財産局に登録出願を行った。知的財産局は審査した後に登録を許可し、登録第1450217号商標として登録した。
 UCCホールディングスはすぐに、環球水泥の該商標が商標法に違反しているため登録を許可すべきではないとして、知的財産局に商標登録異議申立てを行ったが、知的財産局は2012年1月に異議不成立の処分を下した。UCCホールディングスはこれを不服とし、さらに行政訴訟を提起した。
 この商標登録異議案件について、知的財産裁判所は一審判決において両社の商標が類似していないと認定し、また第一次差戻審判決では両商標は同じUCCの三文字があるものの、字体が異なり、環球水泥の商標はUCC上方にUの文字をデザインした図案があるため、類似度は高いとはいえず、さらに日本のUCC商標は主にコーヒー、茶及び関連のドリンク、カフェ等に使用されているのに対して、環球水泥の商標は金属、建材の小売卸売等の役務に使用されており、両者の指定商品/役務の性質が異なり、競合関係にないため、消費者に誤認混同させ、日本の著名なUCC商標の識別力を減損(希釈)するには至っていないと認定した。知的財産裁判所の判決では2回とも知的財産局の査定を支持し、知的財産局が環球水泥に商標登録を許可したことに誤りはないと認めた。
 しかしながら2013年最高行政裁判所は第一次上告審判決において知的財産裁判所の原判決を破棄するとともに、知的財産裁判所の審査に差し戻す際に、日本UCC商標はすでに登録されて二十数年の著名商標であり、両者の商標の主要部分である「UCC」の構成が類似しており、UCCはよく見かける外国語ではないため、たとえ両者の指定商品/役務の性質が異なっていたとしても、環球水泥UCC商標の登録と使用を許可したならば、時間が経つにつれて、日本の著名なUCC商標は元来大衆に与えていた独特な印象が失われ、その識別力が希釈されるおそれがあることを明確に示した。したがって、最高行政裁判所は第二次上告審判決時に破棄自判し、環球水泥UCC商標は著名な日本のUCC商標の識別力を希釈するおそれがあるとして、UUCホールディングス勝訴の判決を自ら下し、知的財産局に対して環球水泥のUCC商標登録を取り消すよう直接命じた。(2014年6月)

 日本のUCCと環球水泥との商標登録異議争議の結果

 期日

 審理裁判所

 判決結果

 理由の要約

2012年12月27日知的財産裁判所UCCホールディングス敗訴。両社の商標は類似しておらず、指定商品/役務の性質も異なるため、消費者の誤認混同には至らず、日本の著名なUCC商標の識別力を希釈するおそれもない。
2013年6月14日最高行政裁判所原判決を破棄し、知的財産裁判所へ審理差し戻し。 両商標の主要部分であるUCCが類似している。UCCはよく見かける外国語ではない。指定商品/役務の性質は異なるが、日本のUCC商標の識別力を希釈する可能性がある。
2014年1月2日知的財産裁判所第一次差戻審UCCホールディングス敗訴。両商標の類似度は高いとはいえず、また指定商品/役務の性質も異なるため、誤認混同のおそれはなく、日本の著名なUCC商標の識別力希釈のおそれもない。 
2014年6月19日最高行政裁判所の確定判決UCCホールディングス勝訴。知的財産局に環球水泥商標の登録取消を命令。日本のUCC商標は著名商標であり、両商標は類似度が高く、たとえ指定商品/役務の性質が異なっても、環球水泥の類似商標の登録を許可したならば、日本UCC商標の識別力は希釈される。
資料出所:各裁判所の判決書
表作成:工商時報/張国仁