著作権法ISP法案 立法院を通過、通称「セーフハーバー条項」盛り込む
J090421Y3 | 2009年5月号(J117) 前のぺージに戻る    

  インターネット上の権利侵害行為はインターネットサービスプロバイダーが提供するサービスを利用して遂行するもので、著作権への保護に大きな衝撃を与えている。これに鑑み、行政院はセーフハーバー制度を参考にし、インターネットに権利侵害コンテンツが流れるのを有効に抑制するために提出した、「著作権法の一部を改正する案」、いわゆるISP法案(ISP業者の民事免責事由)が4月21日、立法院で可決され、成立した。

   次に今回の法改正が著作権者、ISP業者、ユーザーに対する影響をそれぞれ説明する。
一.著作権者への影響
 1.著作権者はその著作権を侵害した行為について、一般の司法救済手続きを通じて実際の権利侵害者に権利を主張することができるほか、今回の改正規定により、ISP業者に対し権利侵害に係るコンテンツ或いは関連情報を速やかに除去(削除)、いわゆる通知/除去(Notice & Take Down)することを通知し、損害の拡大を食い止めることも考えられる。
 2.また、ユーザーがP2Pソフトを利用してその権利を侵害したことについて、著作権者もインターネット接続サービスを提供するISP業者を通じて「警告書」を当該特定IPアドレスのユーザーに転送し、著作権侵害行為を行わないよう注意を訴えることができる。

二.ISP業者への影響
 1.ISP業者にとって、権利者に協力して通知/除去(Notice & Take Down)手続を実行すれば、他人の著作権を侵害したとされる行為については、権利侵害を告訴されるリスク及び権利侵害容疑者と共同で民事責任を負担するを免除されることが可能である。これはいわば「セーフハーバー」である。
 2.ISP業者がこのセーフハーバーに順調に入れるために、ユーザーにサービスを提供する前に、ISP業者はその著作権関連保護措置を明確にユーザーに告知しなければならず、またユーザーが三回にわたって著作権侵害に関わったと告知されたときは、ISP業者はそのサービスの全部又は一部を停止することになる。

三.ユーザーへの影響
  
1.インターネットで権利者から許諾を受けていない音楽、文章若しくは映像のダウンロード、転載、海賊版販売又はP2Pソフトを利用した伝達を任意で行ったことを、著作権者が発見し、警告書を出したときに、ISP業者は当該権利侵害に関わった情報を削除するほか、当該IPアドレスのユーザーに著作権者が出した「警告書」を転送する
  
2.ユーザーがうっかりしてインターネットで他人の権利を侵害したようなことをしたときは、今回の法改正で盛り込んだ「通知/除去(削除)」の手続で法律の訴追を避けることができる。
  
3.特に説明しなければならないのは、今回の法改正でユーザーの個人情報及びプライバシー保護は十分に配慮されている。もし、告発されたユーザーによる権利侵害情報が除去された後、「復原通知」を出して除去された情報の復原を求めなかった場合、ISP業者はそのユーザーの個人情報を権利者に開示することができない。

本法案のポイントは次のとおり。
  
1.インターネットサービスプロバイダーの定義を新設する(第3条第1項第19号)。
  
2.インターネットサービスプロバイダーは第六章ノ一の民事免責事由の共通要件を適用することができる(第90条ノ4)。
  
3.各種インターネットサービスプロバイダーがそのユーザーによる他人の著作権若しくは出版権を侵害する行為について、本法に定めた手続を確実に遵守すれば、賠償責任を負わなくてよい(第90条ノ5から第90条ノ8)。
  
4.情報保存サービスを提供するインターネットサービスプロバイダーが復原措置を実行するときに遵守すべき事項を定める(第90条ノ9)。
  
5.インターネットサービスプロバイダーが規定により著作権若しくは出版権の侵害に関わった情報を除去(削除)するときは、ユーザーに賠償責任を負わない(第90条ノ10)。
   6.不実の通知若しくは復原通知により他人に損害を生じさせたものは、その生じた損害について賠償責任を負う(第90条ノ11)。
  
7.主務官庁に法規命令で前掲関連新設条文の実行にあたっての細目を定める権限を付与する(第90条ノ12)。2009.04