台湾の研究力が世界で輝きを放つ 2026年エジソン賞で16賞を獲得

J260512Y5・J260512Z5 2026年6月号(J322)

 経済部は5月12日に「2026年エジソン賞受賞記者会見」を開催し、2026年台湾は「イノベーション界のアカデミー賞」という異名を持つ「エジソン賞(Edison Awards)」において、合計16の賞を獲得したと発表した。同賞はイノベーションが真に世界を変えて実用化を実現する能力があるかを重視するもので、今回の受賞は台湾が世界のイノベーションにとって重要なパートナーとなりつつあることを示している。
 経済部の産業技術司(Department of Industrial Technology, MOEA)によると、台湾はエジソン賞においてデル(Dell)、メドトロニック(Medtronic)、ダウ・ケミカル(Dow Chemical)等の有名企業と肩を並べて受賞しており、これは台湾が世界の技術革新という分野において確固たる地位を築いていることを示すものであるという。エジソン賞のエグゼクティブ・ディレクターであるフランク・ボナフィリア(Frank Bonafilia)氏は、台湾はすでに「非常に実用的で、世界で使われる製品とサービス」を創出できるようになったと特別に言及している。
 今年のエジソン賞において、台湾の技術はハイエンド医療材料、環境サステナビリティ、デジタル・トランスフォーメーション(DX)に集中していた。経済部の管轄下にある研究法人(工業技術研究院(ITRI)、金属工業研究發展中心(MIRDC)、紡織産業総合研究所(TTRI))は合計で3金6銀3銅を獲得し、かつ受賞技術はすでにミズノ、笙特科技(Sangtech Lab)等の大手企業との提携を通じて産業の現場に導入されている。国内企業である印能科技(Ableprint)と光林智能(Leotek)も卓越した研究開発力で受賞している。
 健康・医療及び人道的配慮の分野において、ITRIの生物医学及び医学材料研究所(Biomedical Technology and Device Research Laboratories)及び材料及び化工研究所(Material and Chemical Research Laboratories)はTTRIと共同開発した「ハイブリッド再生靭帯(Hybrid Regenerative Ligament Technology)」で金賞を獲得した。ITRI等は新光合繊(Shinkong Synthetic Fibers)、合碩生技(Ossaware Biotech)、台湾百和(Taiwan Paiho)、睿邑生技(Renax Biomedical Technology)等の国内大手企業と協力して、人工靭帯が経年劣化により断裂しやすいという問題を解決するため、移植後の強度が市販品の3倍で、組織再生を誘発する重要な医療材料を開発した。また社会福祉のニーズに応えるMIRDCの「言語インタラクティブ治療ソフト(MagicABC)」はAI支援を運用し、言語療法士の人手不足という問題を効果的に緩和することができ、言語発展遅延の症例の80%以上において改善が見られた。
 環境サステナビリティとグリーン・マニュファクチャリングの分野において、ITRI のグリーンエネルギー・環境研究所(Green Energy and Environment Research Laboratories)が金賞を獲得した「道路舗装材料の再生リサイクル応用(Sustainable Pavement Material Recycling)」は、廃棄される回収舗装アスファルトを再生することで、台湾において年間に485万トンに上る砂利採取を削減できる。また、TTRIがミズノに技術移転した「メルトブロー3D一体成型ランニングシューズ(A Slice of Running Shoe)」は、製造工程を6分間に短縮でき、単一材質のデザインとすることで、高性能スポーツシューズの回収が難しいという長年の課題を解決できた。MIRDCの「スマート省エネ燃焼システム(Energy-efficiency Combustion System)」は、加工産業の二酸化炭素排出量削減に役立っている。
 DXとスマート・マニュファクチャリング(SM)に分野において、ITRI の機械・機電システム研究所(Mechanical and Mechatronics Systems Research Laboratories)が金賞を獲得した「回転機器の予兆診断システム(Prognosis Monitoring System)」は、半導体等の高精密産業における突発的な故障のリスクを解決するもので、あるケースでは1.5億新台湾ドルの損失を回避した実績がある。また、TTRIの「締結部品のスマート・マニュファクチャリング成形制御技術(AI-Driven Fastener Forming Quality Monitoring)」は、締結部品生産の歩留まり率を0%近くにまで下げることができる。最先端の封入プロセスにおいて、印能科技(Ableprint Technology)は高機能真空技術(訳注:半導体封入時におけるボイド発生とフラックス残留の問題を解決できる「Eliminate Void & Residue Terminator System」技術が受賞)でチップの信頼性を確保し、資訊工業策進会(III)はEdgeAI通信システム技術(訳注:「Edge AI による XR イマーシブ・インタラクティブ通信システム(AI Edge Computing × XR Immersive Interactive System)」技術が受賞)でイマーシブ・インタラクティブのビジネスチャンスを開拓している。(2026年5月) 

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