「TPSO交響楽団」商標異議申立事件、台北フィルが勝訴

J260115Y2 2026年2月号(J318)

 台北愛楽室内及び管弦楽団(Taipei Sinfonietta & Philharmonic Orchestra、以下「台北フィル」)は、台北愛楽音楽文化有限公司(以下「台北愛楽公司」)の「TPSO交響楽団及び図」商標が「台北愛楽室内及び管弦楽団及び図」、「TSPO」と高度に類似しており、かつ容易に混同を生じさせるため、知的財産局に異議を申し立てた。知的財産局は審理の結果、「TPSO交響楽団及び図」商標は登録を取り消すべきとの決定を下した。台北愛楽公司はこれを不服として訴願を提起したが棄却されたため、本件訴訟を提起した。先日、最高行政裁判所は台北愛楽公司の敗訴を確定した。
 最高行政裁判所は判決において、知的財産及び商事裁判所が台北愛楽公司の訴えを棄却したことに、誤りはないと認めた。商標が「他人の著名な商標又は標章と同一の又は類似するもので、関連する公衆に誤認混同を生じさせるおそれがあるもの」は登録してはならないと、商標法第30条第1項第11項前段に規定されている。台北フィルの1992年コンサートプログラムには「ト音記号デザイン図」商標と「台北愛楽室内及び管弦楽団」の表示が見られ、1994年及び1998年のプログラムにはすでに「台北愛楽室内及び管弦楽団及び図」商標の使用が見られる。このほかに、台北フィルは幾度か国際的な音楽の場に招かれて演奏しており、また世界的に有名な演奏家を台湾に招いて音楽の交流を行っており、国内の公益団体法人と提携して演奏を行うこともあり、さらには知的財産局による2004年の文化クリエイティブ産業商標名リストに、音楽及び舞台芸術業界の著名商標に選ばれており(当時は未登録商標)、「台北愛楽室内及び管弦楽団及び図」商標が「TPSO交響楽団及び図」商標の登録出願日(2021年3月12日)より前に、音楽演奏、音楽会等の役務においてすでに関連する事業者及び消費者に広く認識された著名商標であったことに疑いの余地はない。
 さらに(最高行政裁判所の判決によると)、「TPSO交響楽団及び図」商標と「台北愛楽室内及び管弦楽団及び図」商標とを対比すると、いずれもト音記号を図形デザインの要素としており、かつ「台北愛楽室内及び管弦楽団及び図」の中の「Taipei Sinfonietta & Philharmonic Orchestra」について、アルファベット頭文字から容易にもたらされる印象は、即ち「TSPO」である。よって「TPSO交響楽団及び図」商標と「台北愛楽室内及び管弦楽団及び図」、「TSPO」商標とを対比すると、両者は外観、呼称及び観念において、類似商標を構成しており、かつ「TPSO交響楽団及び図」と「TSPO」とは高度に類似している。さらに「台北愛楽室内及び管弦楽団及び図」、「TSPO」商標はいずれも識別性を有しており、消費者により広く認識されている商標である。このほかに、台北愛楽公司の前代表者は2014~2020年に台北フィルの総務部長を務めており、「台北愛楽室内及び管弦楽団及び図」、「TSPO」商標の存在を知っていたはずであり、それが類似の図案を以って商標登録を出願したことは、善意によるものとはいいがたい。「TPSO交響楽団及び図」商標が使用を指定している各役務と「台北愛楽室内及び管弦楽団及び図」、「TSPO」商標が指定する音楽演奏、音楽会等役務とは、いずれも密接な関連性があり、消費者が実際に誤認混同を生じる状況があり、自ずと関連する公衆に両商標の役務が同一の又は関連する出所からのものであると誤認させ、誤認混同を生じさせる可能性がある。(2026年1月)

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