2025年世界デジタル競争力ランキング、台湾は8項目の指標で世界トップ3
J251104Z5・J251104Z7 2025年12月号(J316)
スイスローザンヌに拠点を置く経営開発国際研究所(IMD)が発表した「2025年世界デジタル競争ランキング」 (IMD World Digital Competitiveness Ranking 2025, DCR)レポートによると、世界の主な69ヵ国・地域において台湾は総合順位が10位になったという。数位発展部(Ministry of Digital Affairs)によると、ランキングを構成する3つの要因のうち、台湾は「未来への備え(Future readiness)」におけるパフォーマンスが最も目覚ましく、2024年から3ランクアップの3位に躍り出た。その他の2つの要因である「技術(Technology)」と「知識(Knowledge)」についてはそれぞれ11位と16位だった。全体的にみると、台湾は8項目の指標で世界トップ3に入っており、特定のデジタル分野においてトップの実力を備えていることがうかがわれる。数位発展部では、上記レポートで指摘された弱い指標については、台湾がデジタル発展の優位性を維持できるよう、政府機関と協力して対策を検討し、改善していくとしている。
数位発展部の説明によると、台湾が世界トップ3に入っている指標は8項目に上り、研究開発力、高等教育、企業の俊敏性などに関する優位性が際立っており、これらがAI産業発展とデジタルトランスフォーメーション(DX)のための強固な基盤を築いているという。その中で、「IT及びメディアの関連株式時価総額(IT & Media stock market capitalization)」の指標で1位、「R &Dへの公的支出(GDP比)(Total expenditure on R&D (%))」、「R &D人材数(フルタイム換算値/人口千人当たり)(Total R&D personnel per capita)」及び「企業の俊敏性(Agility of companies)」で2位、そして「教育評価(PISA–数学)(Educational assessment PISA - Math)」、「25~34歳における高等教育の成果(Higher education achievement)」、「企業の商機と脅威に対する俊敏性(Opportunities and threats)」、「企業によるビックデータと分析の活用(Use of big data and analytics)」等4項目で3位にランクされている。
IMDランキングは「知識」(Knowledge)、「技術」(Technology)及び「未来への備え」(Future readiness)という3項目の要因(Factors)、9項目のサブ要因(Sub-Factors)、61項目の指標(Criteria)から構成され、世界各国に対して、デジタル技術に適応して探索し「DX」を十分に活用する能力と準備の度合いが評価されている。
数位発展部によると、「知識」は主に国家の新技術に対する学習能力を反映する要因であり、台湾の順位は世界16位となり、2024年から3ランクアップしているという。そして「R&Dへの公的支出」、「上級管理職者の国際経験(International experience)」、「国内ビジネス環境に惹きつけられる外国人高度技術者(Foreign highly skilled personnel)、「就業人口に占める科学技術関連の雇用(Scientific and technical employment)」、「社員教育への重視(Employee training)」及び「学位取得の女性の比率(Women with degree)」等の指標においていずれも順位を上げており、台湾では在学及び就業の段階におけるデジタル、科学技術の人材を重視していることがわかる。数位発展部ではデジタル人材の育成を推進し続け、企業と協力して若者が基礎を築き、分野を越えた人材に対するデジタルエンパワーメントを行うことを強化するとともに、国際的なデジタル専門家を導入することに力を入れ、研究開発と産業のニーズに合ったデジタル人材を増やしていくとしている。
「技術」は国家のデジタル革新技術を開発する能力を評価する要因であり、台湾は世界11位であった。「法環境に支えられる技術の開発と応用(Development & application of technology)」、「革新を奨励する科学研究関連の法規(Scientific research legislation)」、「技術開発の資金調達(Funding for technological development)」、「情報通信への投資(GDP比)(Investment in Telecommunications)」及び「企業のニーズを満たす通信技術(音声とデータ)(Communication technology)」等の指標においていずれも順位を上げており、これは台湾政府がイノベーションにフレンドリーな環境を整備し、5G通信網の構築と応用を推進した成果を表すものである。AIブームに対応するため、数位発展部では、AIの発展と応用に有利な法制環境の整備に尽力するとともに、製品志向の角度から、AI産業政策の執行を強化し、AI産業への投資を推進して、台湾の指標の順位を引き続き引き上げていきたいとしている。
「未来への備え」という要因は国家のDXの程度を測るもので、台湾は世界3位となり、2024年から3ランクアップした。「企業の商機と脅威に対する俊敏性」、「企業によるビックデータと分析の活用」、「インターネット小売(千人当たり)(Internet retailing)」、「新たな挑戦に対する柔軟性と適応性(Flexibility and adaptability)」、「産学間の知識移転(Knowledge transfer)」、「起業家の失敗への恐れ(Entrepreneurial fear of failure)」、「技術発展を支える官民連携(Public-private partnerships)」及び「法によるネットユーザーの個人情報保護(Privacy protection by law exists)」等の指標でも順位を上げており、台湾が企業の俊敏性において高い競争力を有することが反映されているのに加えて、政府の官民間技術提携、個人情報保護における成果などが際立っており、人々の変化しやすい環境に対するレジリエンスの高さが表れている。
数位発展部では、IMDレポートで指摘されている台湾の弱い指標である「女性研究員の比率(Female researcher)」、「高等教育における生徒・教師の比率 (Pupil-teacher ratio(tertiary education))」等については、今後関連部署と協力して取り組んでいくとしている。「AI政策の法制化の程度(AI policies passed into law)」について、数位発展部はすでに「データ革新的利用発展促進条例(原文:促進資料創新利用發展條例)」法案を起草して行政院の審議に提出しており、今後「人工知能(AI)基本法」が立法院を最終的に通過するのに合わせて「AIリスク分類枠組み」を提出する。同部はさらに各部署と協力してAIの影響について、関連法規やガイドラインを新設、改正するとともに、英語版も発表して、引き続き海外とのコミュニケーション強化を図り、台湾のAIガバナンスにおける努力と成果の可視性を高めていくとしている。
今後、数位発展部では引き続きデジタル発展の優位性を評価し、「AI産業発展の促進(promoting AI industry development)」、「サイバーセキュリティのレジリエンス (strengthening cyber security resilience)」、「詐欺防止対策の実施(implementing anti-fraud measures)」及び「デジタル政府インフラの強化(enhancing digital government infrastructure)」という4つの主軸に焦点を当てて、官民のデジタルトランスフォーメーションを加速化し、社会をより安全で、便利で、繁栄するデジタル未来へと導いていくとしている。(2025年11月)









