「人工知能基本法」法案が行政院を通過 AIの発展と応用に適した環境を構築し、台湾をAIアイランドに
J250828Y9 2025年10月号(J314)
人工知能(AI)の発展と応用に適した環境を構築し、台湾をAIアイランドにするため、行政院会(行政院会議)は2025年8月28日に「人工知能基本法(AI基本法)」法案を可決し、立法院での審議に送った。
行政院の卓栄泰院長によると、AIの発展と応用に適した環境を構築するため、デジタル発展部(Ministry of Digital Affairs)は国家科学及び技術委員会(訳注:日本の旧技術科学庁に相当。)が起草した「人工知能基本法」を引き継ぎ、AIの研究開発、応用、ガバナンスの基本原則を確立して、技術革新を奨励し、世界と足並みを揃えることを主軸とするとともに、知的財産権や個人情報の保護を考慮しながら、国家の重要な発展の方向を定めて、台湾をAIアイランドとして、世界AI発展を推進する重要な地位に押し上げていく。
卓院長はさらに、本法案を立法院での審議に送った後は、デジタル発展部が基本法に係る立法の構造と精神を以って立法院の与野党及び社会における関係各界と積極的に意思疎通を図り、支持を得て、早期に立法手続きを完了できるようにすると述べている。本法案の要点は以下の通り。
(一)本法の立法目的。(法案第1条)
(二)本法でいう人工知能の定義。(法案第2条)
(三)人工知能の研究開発及び応用に係る基本原則。(法案第3条)
(四)政府は人工知能の研究開発、応用及びインフラ整備を推進しなければならない。(法案第4条)
(五)各対象事業の所管官庁は人工知能による製品又はサービスのイノベーションについて、人工知能によるイノベーションの実験環境を構築又は整備しなければならない。(法案第5条)
(六)政府は官民協力の形で、民間と提携し、人工知能によるイノベーションの運用を推進し、人工知能関連の国際提携を推進しなければならない。(法案第6条)
(七)政府は人工知能に関する教育を推進しなければならない。(法案第7条)
(八)政府は人工知能の応用が違法の事情をもたらすことを回避しなければならず、関連官庁は評価検証のツール又は方法を提供又は提案しなければならない。(法案第8条)
(九)デジタル発展部は人工知能のリスク分類フレームワークを推進しなければならず、各対象事業の所管官庁は必要に応じて、前記リスク分類のワークフレームに基づきリスクのレベルに応じた管理規則を策定しなければならない。(法案第9条)
(十)政府は法令又はガイドラインを通じて(安全)基準、検証、追跡可能性(トレーサビリティ)又は説明責任(アカウンタビリティ)のシステムを確立し、人工知能の意思決定に関する検証可能性及び人による監視を強化しなければならない。(法案第10条)
(十一)政府はハイリスクの人工知能の応用について、その責任の帰属と帰責条件を明確化し、その救済、補償又は保険のシステムを構築しなければならない。(法案第11条)
(十二)政府は労働者の権益を保障し、人工知能の利用によりもたらされた失業者について職業補導を行わなければならない。(法案第12条)
(十三)政府は人工知能の研究開発及び応用の過程において、個人情報を保護しなければならない。(法案第13条)
(十四)人工知能の訓練と出力結果が国家(台湾)の多元的な文化価値※を維持し、知的財産権を保護するために、政府は人工知能が使用するデータの可用性、質及び量を高めなければならない。(法案第14条)
(※訳注:「多元的な文化価値」とは、AI訓練データに台湾の言語と社会的なコンテクストを含めるにより、海外の資料ばかり使用することで台湾本土の価値観からかけ離れることを避けることを指す。)
(十五)政府が公務で人工知能を使用するときに遵守すべき事項。(法案第15条)
(十六)政府は本法が施行された後、本法規定により所管の責任、業務、法規の検討及び調整、又はガイドラインの策定をしなければならず、さらに法規を改正する前に既存の法規に規定がなかった場合は、対象事業の所管官庁がデジタル発展の所管官庁と相談して、本法規定により解釈、適用する。(法案第16条)(2025年8月)









