高雄分署のパブリックアート作品の盗作事件、知的財産裁判所一審で200万新台湾ドルの支払い命令判決
J250904Y3 2025年10月号(J314)
法務部行政執行署高雄分署ビルの前にあるパブリックアート作品に関して2022年に盗作疑惑が浮上し、台北地方検察署は下請業者の葛菲雅奇視像空間設計有限公司(以下、葛菲雅奇公司)とその代表者である蔡文祥を起訴した(刑事事件)。また、日本の陶芸家、木野智史氏は知的財産及び商事裁判所に民事訴訟を提起しており、同裁判所は一審にて、木野氏が2015年に完成した作品「颪(眼)」を葛菲雅奇公司と蔡文祥が複製し、その著作権(複製権及び氏名表示権)を侵害したと認め、葛菲雅奇公司と蔡文祥に対して、原告に連帯して200万新台湾ドルと支払い済みまでの金利を支払うとともに、本件に関わるパブリックアート作品を廃棄するよう命じる判決を下した。
木野氏は次のように主張した:「颪(眼)」は2016年に台湾で出展して受賞したことがあり、かつ書籍を製作して、現在も台湾のネット書店などのプラットフォームで購入できるため、葛菲雅奇公司と蔡文祥が上記作品と接触する機会は十分にあった。高雄分署ビル前に展示されているパブリックアート作品の外観、ライン、構造は「颪(眼)」とほぼ同じであり、葛菲雅奇公司と蔡文祥は同意又は許諾を得ずに無断で「颪(眼)」を複製し、作者を蔡文祥と表示して、著作権(複製権及び氏名表示権)を侵害した。
判決書では次のように指摘している:日本の陶芸家木野智史の作品「颪(眼)」は独創性を有し、著作権法で保護される美術の著作物である。即ち自然界から題材を得ているが、陶芸技術により曲線と美観を表現しており、独自性を有する。さらに、その作品は鶯歌陶瓷博物館での展示、専門誌や雑誌への掲載を通じて、一般大衆はいずれも接触する機会があり、葛菲雅奇公司と蔡文祥も見た可能性があると考えるので妥当である。「颪(眼)」は半円を組合せ、両側には帯状のものが伸びて傾斜しており、両側の末端にはやや捻じれたラインがあり、対称形ではなく、全体的には前が薄く後ろが厚いという作品であり、蔡文祥の作品も同じ特徴を有し、両者の「全体の観念と感覚」は高度に類似しており、実質上、類似の域に達している。
さらに判決書では次のように指摘している:葛菲雅奇公司と蔡文祥は許諾を受けずに複製した作品を以ってパブリックアート入札に参加して、木野智史の複製権を侵害し、かつ公開展示する時に作者を蔡文祥と表示しており、氏名表示権を侵害したため、葛菲雅奇公司及び蔡文祥は連帯して200万新台湾ドルと、2024年9月27日から支払い済みまで年5分の割合による金員を支払うとともに、葛菲雅奇公司は本件に関するパブリックアート作品を廃棄して侵害を排除しなければならない。(2025年9月)









