LED照明大手による警告状の濫用は公平交易法に違反、公平会は200万新台湾ドルの過料

J250626Y4 2025年7月号(J311)

 公平交易委員会(訳注:日本の公正取引委員会に相当、以下「公平会」)はニュースリリースにて、億光電子工業股份有限公司(Everlight Electronics., Ltd.、以下「億光公司」)がLEDランプ販売業者に警告状を送ったことは、取引秩序に影響を与えるに足る著しく公正を欠く行為であり、公平交易法(訳注:日本の独占禁止法、不正競争防止法に相当)第25条規定に違反するため、違反行為の停止を命じたほか、200万新台湾ドルの過料を科したと発表した。
 公平会は次のように述べている。億光公司が所有する特許3件はLEDチップに関連する技術であり、LED照明ランプ等の製品に使用されていると主張しているが、公平会の調査によれば、億光公司は2022年10月から多数回にわたり、その特許権が侵害されたとする警告状を、競合業者である威剛科技股份有限公司(ADATA Technology Co., Ltd.)、展晟照明股份有限公司(Jan Cheng Lighting Co., Ltd.)等数社の川下にあるLEDランプ販売業者に送っており、それには大潤發(RT-Mart)、家樂福(Carrefour)、特力屋(TLW)、全聯(PX Mart)、PChome等多数の大型小売業者が含まれている。億光公司は警告状を送付する前に、裁判所から特許権侵害の判決を受けておらず、また第三者の公正な機関による特許権侵害鑑定報告も添付されておらず、億光公司が内部で作成した分析報告書又は被疑侵害品リストだけを添付して警告状を発送し、前述の競合業者とその川下の取引相手(即ち多数の販売業者)に権利を主張して、期限までに被疑侵害品を商品棚から卸すことを要求し、販売業者が商品の特許権侵害事件の全貌を理解できない状況で、これに基づいて商品の販売を継続するかを判断させた。
 公平会は調査により以下の点を発見した。億光公司は事前に又は同時に威剛公司等の製造業者に対して侵害排除を請求せずに、販売業者に警告状を送っており、かつ億光公司の警告状には特許権の明確な内容、範囲、侵害を受けた具体的な事実が説明されておらず、前述の大手販売業者はこれらの商品が確実に権利を侵害しているかを知り得ず、争議に巻き込まれるのを回避するため、その多くが警告状を受け取った後、商品を棚から卸した。億光公司が特許侵害に関わると主張している威剛公司、展晟公司等の製造業者は事前に知ることができず、商品の特許権侵害の有無について防御できなかったため、億光公司が警告状を送った行為は企業倫理の非難可能性を有する。
 公平会はさらに以下の点を発見した。億光公司が一部の製造業者には事前に通知していても、その通知に開示されている被疑侵害品の項目と、億光公司が販売業者に送った警告状でいうところの被疑侵害品の項目とは一致していない。例えば製造業者2社に対しては4項目の商品が特許権侵害に関わっていると主張しているが、販売業者に対する警告状では被疑侵害品が6項目又は33項目に達すると告知されており、3日以内又は1週間以内という極めて短い時間に被疑侵害品を処理するよう要求しており、かつ中小の配管・電気業者80社以上には合計100通以上の警告状を続けて送っており、販売業者に競合業者の照明商品を商品棚から卸させる状況又は販売できなくさせる状況をもたらした。億光公司の警告状発送行為は、市場の取引秩序にすでに影響を与えており、公平交易法第25条規定に違反している。
 公平会によると、専利※権者は知的財産権関連法規に基づいて侵害の排除を請求することができるが、専利権行使を濫用してはならず、公平会では「事業者による著作権、商標権又は専利権侵害についての警告状発送案件に対する公平交易委員会の処理原則」を定めており、専利権者が知的財産権を主張するならば、公平交易法の関連規定に留意して、抵触を回避すべきであるとしている。(2025年6月)
※訳注:専利には、特許、実用新案、意匠が含まれる。

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