工研院が工業総会、電電公会、創智智権公司とともに「LOT産業連盟」を発足
J250624Y1・J250624Y5 2025年7月号(J311)
近年、世界の産業界では非実体主体(Non-Practicing Entity,NPE)、いわゆる「パテント・トロール」との訴訟リスクが急速に高まっている。IP Bankである創智智権管理顧問股份有限公司(Intellectual Property Innovation Corporation、以下「創智智権公司」)の研究によると、2022~2024年における台湾企業の海外専利※侵害訴訟のうち70 %はNPEが提訴したものだという。産業界がともにNPEの脅威に対して防御を行うのに協力するため、工業技術研究院(Industrial Technology Research Institute、以下「工研院」)は2025年6月24日、全国工業総会(Chinese National Federation of Industries、以下「工業総会」)、台湾区電機電子工業同業公会(Taiwan Electrical and Electronic Manufacturers' Association、以下「電電公会」)、創智智権公司とともに「LOT(License on Transfer)産業連盟」の発足を宣言し、20社近い半導体、情報通信及びPCBの大手企業に参加を呼びかけ、台積電(TSMC)、日月光(ASE)、力成(PTI)、矽品(SPIL)、世界先進(VIS)、技嘉(Gigabyte)、智易(Arcadyan)、微星(MSI)、新応材(AEMC)、欣興(Unimicron)等のIT大手が発足大会に参加してこれを支持した。初回は15万件余りの有効な専利が集まる見通しであり、台湾企業と科学技術研究機関がともに産業の枠を超えた「知的財産のセーフティネット」を構築していく。
LOTネットワークは、国際的なNPE防護にとって効果的な防御戦略であり、Google、Dropbox、キャノン、SAP、Red Hat等のIT大手がいずれも採用している。経済部産業技術司は技術開発プログラム(TDP)を通じて工研院の研究開発と専利戦略をサポートしており、また台湾産業界の知的財産防護を積極的に強化するため、このたび工研院が企業とともにLOT産業連盟を発足し、万全な専利防御システムを通じて台湾の知的財産セーフティネットを構築することで、NPEリスクに積極的に対応するとともに、グローバルな競争力を高め、政府による知的財産の価値向上と先端技術の保護における成果を示していこうとしている。
LOT産業連盟のシステムの三大特色は、第一に、企業間のビジネス競争に干渉しないこと、第二に、会員の専利がNPEに譲渡された時だけ他会員へのライセンスが有効となるので、専利の自主運用価値が下がることはないこと、第三に、このライセンスには技術の開示又はビジネス機密が関与しないことである。LOT産業連盟を通じて、企業がそれぞれ分散して持つ専利戦力を産業界の連合防御システムにレベルアップし、将来的にはさらに世界の同じような組織や大手企業と提携関係を築き、台湾企業のためにより大きな範囲の保護を確保し、多元的に専利を運用するビジネスチャンスを創出していく。(2025年6月)
【訳注※「専利」は専利法において特許、実用新案、意匠を含みますがが、単に「パテント」という意味で使われる場合もあります。】









