中石化の前総理等が営業秘密法に抵触、一審では刑罰の判決

J240204Y4 2024年3月号(J295)

 中国石油化学工業開発股份有限公司(China Petrochemical Development Corporation、以下「中石化」)の前総経理である蔡錫津及び前管理職者等が営業機密を窃取し、中石化の営業秘密、秘密保持資料及び関連のリソースを違法に複製し、営業秘密法、刑法(背任罪)に違反した。苗栗地方裁判所は2024年2月2日、被告人7人全員に刑事罰の判決を下した。全件はさらに上訴できる。
 蔡錫津は中石化の前総経理であり、2012年7月に前総経理室プロジェクトマネージャーの陳錦佩と一緒に離職している。蔡錫津は2013年1月から東聯化学股份有限公司(Oriental Union Chemical Corporation、以下「東聯化学」)の総経理に就任し、その後株式取得により大祥化成股份有限公司(Dah Shyang Chemical Corporation、 2014年7月合聯化学股份有限公司(Core Union Chemical Corporation)に社名変更)を買収し、陳錦佩が財務担当副総経理に就任した。当時、中石化の苗栗頭份工場の工場長であった劉耀隆は離職した2人と電子メールを通じて緊密に連絡を取り合っていた。調査局は、蔡錫津が中国と台湾に工場建設計画があるため、陳錦佩及び劉耀隆等と共謀し、劉耀隆等の職務を利用して中石化の営業秘密と画像資料等を集めたことを発見した。
 事件全体が明るみに出たのは、当時劉耀隆が離職した時に、関連の公務やコンピュータの引継ぎが不明瞭であったことから、中石化の内部監査で疑われた後、中石化が自発的に関連資料を検察側に提出したためであり、検察官は2016年12月に公訴を提起した。さらに中石化は付帯民事訴訟を提起して損害賠償を請求している。苗栗地方裁判所は2024年2月2日、前総経理の蔡錫津には懲役1年2月、前プロジェクトマネージャー陳錦佩に懲役9月、前頭份工場工場長の劉耀隆には二つの罪についてそれぞれの懲役1年と懲役1年2月に処す判決を下した。付帯民事訴訟については、劉耀隆に中石化に対して1377万台湾ドル及びその金利を支払うよう命じる判決を下した。(2024年2月)

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