TSMCがボッシュ、インフィニオン 、NXPセミコンダクターズと合弁会社を設立 2024年下半期ドイツに工場建設

J230808Y5 2023年9月号(J289)

 TSMC(台湾積体電路製造)、ロバート・ボッシュ(Robert Bosch GmbH)、インフィニオン(Infineon Technologies AG)NXPセミコンダクターズ(NXP Semiconductors N.V.)は2023年8月8日、共同出資によりドイツ・ドレスデンにESMC(European Semiconductor Manufacturing Company, ESMC)を設立し、これにより準先端半導体を製造するプランを発表した。ESMCは2024年下半期のウエハー工場建設着工、2027年末の生産開始を目指す。
 TSMCによると、ESMCは300mmウエハー工場建設プランの重要な一歩前進を象徴するものであり、自動車及び工業市場において将来急速に成長する生産能力のニーズをサポートするものであり、同社の最終的な投資の確定は、更に政府からの補助レベルを確認したうえで決議することになるが、このプランは《欧州半導体法》(European Chips Act)の枠組みに沿って策定したものであるとのことである。
 今回のプランは、建設したウエハー工場でTSMCの28/2 2 nm 相補型金属酸化膜半導体(CMOS)、及び16/1 2 nmフィンフェット(FinFET)プロセス技術を導入、300mm(12インチ)ウエハー月産約4万枚を見込むものであり、先端的FinFET技術によって、より一層ヨーロッパ半導体製造エコシステムを強化することができる。
 また、計画中の合弁会社は、監督機関の許可を経たうえ、他の条件を満たした後に、TSMCが株式の70%、ボッシュ、インフィニオン、NXPセミコンダクターズがそれぞれ株式の10%を保有する。出資、借債及びEU及びドイツ政府の強力なサポートの下で、総計投資金額は100億ユーロを超える見込みであり、同ウエハー工場の運営はTSMCが担う。
 TSMCの総裁魏哲家氏は、「ヨーロッパは半導体のイノベーションにとっても大きな可能性を秘めた地であり、特に自動車と工業分野について、ヨーロッパの人々と手を携えて、これらをTSMCの先進的シリコン技術に新たに導入できることを期待している」と語った。(2023年8月)

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