虚偽広告で交平会から200万新台湾ドルの過料、遊戲橘子が提訴するも敗訴

J230824Y4 2023年9月号(J289)

 台北高等行政裁判所は2023年8月24日、ニュースリリースにて、原告遊戲橘子数位科技股份有限公司(Gamania Digital Entertainment)と被告公平交易委員会※との間の公平交易法※※事件(111年度訴字第1005号)を審理した結果、原告敗訴の判決(本判決は上訴できる)を行ったと発表し、以下のようにその概要を説明した。
(訳注※:日本の公正取引委員会に相当、※※:日本の独占禁止法及び不正競争防止法に相当)
 一、判決主文の要旨:原告の訴えを棄却する。
 二、事実の概要:被告は2022年6月10日付で原告を被処分者として、公處字第111039号処分書(以下「原処分」)を作成し、主文にて「一、原告が販売する天堂M(Lineage M)オンラインゲーム(以下「係争ゲーム」)は2019年12月14日に行われた【天堂M】NCSOFT来台ゲーマー座談会(以下「係争座談会」)において、『イベントにおいてアイテム製作、カード獲得、カード合成に成功する確率を公開できるのか?現在これらの確率の設定は韓国版と同じなのか?…台湾版の確率は韓国と全く同じである』と宣伝したことは、取引決定に影響を及ぼすに足る役務の内容に関する虛偽不実で誤解を与える表示であり、公平交易法第21条第4項(第1項準用)規定に違反するものである。二、200万新台湾ドルの過料を科す。」との処分を下した。原告は原処分を不服として、本件行政訴訟を提起した。
 三、理由の要旨:
  (一)原告が係争座談会を開催した目的は、係争ゲームの宣伝・販売であり、台湾版ゲームに対する台湾ゲーマーの感想を聞いてゲームの改良の参考としようとするもので、原告は当日FBの生中継を行い、その後も「天堂M」のYoutube公式チャンネルで見どころ動画を公衆の視聴に供していた。係争座談会の現場では「イベントにおけるアイテム製作、カード獲得、カード合成の確率を公開できるのか?現在これらの確率の設定は韓国版と同じなのか?」について、「台湾版の確率は韓国と全く同じである」などと回答がなされた。これはゲーマーが注目するところであり、原告も重要であるととらえて質問のリストに入れて回答しており、ゲーマーが台湾版ゲームを購入するかどうかに影響を与えるものである。また原告自身も、係争ゲームの「伝説級製作秘法書(刻印)」を製作できる確率について、韓国版の成功率が10%、台湾版の成功率が5%であり、韓国版と台湾版では確率が確かに異なることを認めており、係争座談会の説明は事実と異なることが分かり、一般大衆に係争ゲームの内容に対して誤った認知又は決定をさせるおそれがあり、市場競争メカニズムが元来の機能を失い不正競争の効果をもたらすに足る。原告の行為は公平交易法第21条第4項が準用する第1項に定められる「商品若しくはその広告に、又はその他公衆に知らせる方法で、商品に関する取引決定に影響を及ぼすに足る事項について、虚偽不実又は人に誤解を与えるような表示又は表徴をしてはならない。」との規定に違反するものである。
  (二)被告は公平交易法第42条前段及び同法施行細則第36条規定に基づき、原告の違法行為に係る動機、目的、予期される不当利益、取引秩序に対する危害の程度、持続時間、得た利益、及び事業者の規模、経営状況、市場における地位、過去における違法の状況、違法後の是正状況及び調査への協力等の状況を十分に斟酌している。被告が原告の振込資本金約17億新台湾ドル、売上高及び係争ゲームの販売額(2019年から2021年まで)、紫布(伝説級製作秘法書(刻印))の販売額(2019年10月から2021年まで)等の状況を考慮して、原処分で200万新台湾ドルの過料を科したことに、比例原則違反の状況はない。
  (三)以上の次第で、原処分に違反はない。(2023年8月)

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