グリーン商標分析報告を発表、統一公司がリード

J230605Y2 2023年7月号(J287)

 企業が台湾のグリーン商標出願/登録状況を理解し、ニュートラルカーボンへの取組みを行うことができるように、知的財産局は台湾グリーン商標について製品の分類別に出願傾向を整理、分析して、「わが国の過去10年におけるグリーン商標産業の比較分析」報告を作成した。その中で、統一企業股份有限公司(Uni-President Enterprises Corporation)、アップル(米国)及びアリババグループホールディング(ケイマン諸島)によるグリーン商標出願件数が上位を占めている。
 商標は商品又は役務の出所を表示するものであると同時に、現在の市場と経済の方向性の指標でもある。世界中が温暖化の進む地球を救い元来の緑の大地を取り戻すため積極的に取り組んでおり、技術面の介入以外に、知的財産である商標も同様にこのニュートラルカーボンの競争における重要な一環を担っており、多くの大企業による温室効果ガス排出削減への取組みを誘引している。
 知的財産局が作成した分析報告は、欧州連合知的財産庁 (EUIPO)が行ったEUグリーン商標(Green EU trade marks)の研究を参考にして、商標登録出願で採用されている「ニース分類(Nice Classification)名」でスクリーニングした後、さらに「エネルギー製品(Energy production)」、「運輸(Transportarion)」、「省エネ(Energy conservation)」、「リユース/リサイクル(Reuse/recycling)」、「汚染制御(Pollution control)」、「廃棄物の管理(Waste management)」、「農業(Agriculture)」、「環境保護意識(Environmental awareness)」、「気候変動(Climate change)」等の9項目の大分類(グループ)、35項目の小分類(カテゴリー)のグリーン商標に整理するとともに、グリーン商標がその分類の商標出願件数に占める割合を分析して、企業がグリーン商標への取組みや国際的な気候変動/カーボンニュートラル対策への対応を行うための参考として供する。
 分析報告によると、過去10年間に台湾のグリーン商標が商標出願件数全体に占める割合は約15%であったという。全体的にみると、前期(2013~2015年)の平均は12.41%、中期(2016~2019年)の平均は14.72%、後期(2020~2022年)の平均は15.87%で成長傾向が続いており、企業がグリーン商標への取組みをより重視してきていることが分かる。さらにグリーン製品全体に9大分類がそれぞれ占める割合をみると、多い順に「省エネ」、「汚染制御」、「エネルギー製品」となっており、それらの合計はグリーン商標出願件数全体の8割以上を占め、企業によるグリーン商標取組みはそれら三分野が中心となっていることがうかがわれる。
 知的財産局によると、グリーン商標の出願件数は、内国出願人が最も多く、それに中国、日本、米国が続いている。中国は運輸、省エネ、汚染制御、廃棄物の管理において目覚ましい成績を収め、日本は省エネ、気候変動を除くすべての大分類において3位以内に入っている。米国はエネルギー製品、リユース/リサイクル、環境保護意識、気候変動などにおいて好成績を収めている。
 さらに九大分類別において出願人トップ3をみると、統一公司、アップル、アリババグループホールディングが多くの大分類において名前を連ねており、台湾グリーン商標の大口出願人となっている。特に「エネルギー製品」、「省エネ」、「廃棄物の管理」の三大分野において統一公司とアップルが2位以内に入っている。統一公司は第2、第7大分類を除き、すべての大分類で3位以内に入っており、同社が台湾に深く根を下ろし、ニュートラルカーボン対策を推進しようとする決意の程がうかがわれる。(2023年6月)

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