保二総隊が初めて不正視聴アプリを検挙、被害額は市価18億新台湾ドル超

J230505Y3 2023年6月号(J286)

 内政部警政署の保安警察第二総隊刑事警察大隊(保二総隊)は先日、宜蘭、台中等で林容疑者等4人が不正視聴アプリを違法に販売し、他人が違法配信した動画の信号を窃取し、上記アプリを通じてアプリユーザーに窃取した動画を配信したとして検挙した。これは「海賊版の中の海賊版」であり、不正視聴アプリという形での著作権侵害を検挙するのは警察にとっても初めてのことであり、その被害額は市価18億新台湾ドルを超えるという。
 警察によると、今回検挙された林容疑者等4人は、不正視聴機器(セットトップボックス)を販売したのではなく、不正視聴アプリを開発して販売したのだという。そのアプリには、安価で(不正視聴機器の5分の1足らず)、しかもインストールが簡単であるという大きな誘因があり、林容疑者等4人はネット上で販売して利益を得た。このアプリで視聴できる動画は、他の違法業者の不正視聴機器から動画信号を窃取し、暗号を解読したものだという。
 今回検挙されたアプリは、東森電視公司を始めとする国内メディア15社と、TBS等の日本テレビ局大手5社の知的財産権を侵害しており、これらのメディアは「中華民国衛星広播電視事業商業同業公会(Satellite Television Broadcasting Assosiation R.O.C.:略称「STBA」)」及び日本の「一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA)」等の機関に委任して告訴を提起し、宜蘭地方検察署が取調べの指揮を執る。
 警察はサーバ、NAS、ストレージサーバー、ソフトウェアルーター、デジタルセットトップボックス等のハードウェア証拠物品を計62点押収した。その被害額は市価18億1000万余新台湾ドルに上り、林容疑者等4人を著作権法違反の容疑で送検して取調べを行っている。(2023年5月)

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