経済部の派遣団が米国で大きな収穫、海外大手から30億新台湾ドル規模の対台研究開発投資の誘致に成功

J230224Y5・J230224Y8 2023年3月号(J283)

 経済部は米国西海岸標準時2月23日にカリフォルニア州サンノゼにて「経済部技術処の米国における成果とスタートアップ契約」記者会見を開き、国際IT大手のラム・リサーチ(Lam Research)とケイデンス・デザイン・システムズ(Cadence Design Systems、以下「ケイデンス」)が台湾で研究開発に30億台湾ドル規模の追加投資を行う見通しだと発表した。
 台湾と米国とのイノベーティブな研究開発の提携関係をさらに深めるため、経済部技術処は米国に赴き、半導体プロセス用エッチング装置の世界最大手であるラム・リサーチと半導体・電子機器の設計作業自動化(EDA)ソフトウェアで世界第二のシェアを占めるケイデンスを訪問し、台米間の半導体研究開発の提携推進並びに台湾における研究開発への投資拡大等について意見交流を行った。ラム・リサーチは長い間台湾に半導体設備・部品/部材のサプライチェーンを構築しており、双方の提携関係をさらに深めるために、研究開発センターを台湾に設置するとともに研究開発への投資を拡大して、クライアントに対する最先端プロセスの技術サービスを強化し、台湾における設備サプライチェーンの規模をさらに拡大し、2ナノプロセス量産の実現を促す。ケイデンスは40年近くにわたって台湾市場を開拓し、台湾半導体産業の技術向上に重要な役割を担ってきた。半導体産業が成長し続けているため、2023年度に工業技術研究院と共同ラボを設立し、チップレットのデザインツールを研究開発する。これが米国の研究プログラムとの接点となり、台湾と国際的な組織との懸け橋となって、台湾企業に恩恵がもたらされることになる。
 法人スタートアップ企業(訳注:技術処のTREEプログラムを通じて選ばれた、法人研究機関が設立したスタートアップ企業)を海外とリンクさせるため、経済部技術処は2022年末に上記法人スタートアップ企業13社を米国のスタンフォード大学やUCバークレーのアクセラレーター「SkyDeck」に送り3ヵ月の短期集中研修を行い、研修期間中には世界最大規模のテクノロジー見本市「CES」に参加した他に、積極的に企業を訪問して商機を開拓した。記者会見において「醫起付(EZclaim)」の創設者が米Agile PointのCEO及びサンフランシスコ・ベイエリア台湾商会(Taiwanese Chamber of Commerce San Francisco Bay Are)の会長と基本合意書を締結した。「醫起付」が開発した画期的な保険金試算システムを通じて台湾人が米国で治療を受けるときに、台湾の保険システムと迅速にリンクすることでAI演算を活用し保険金の範囲を予測できるようになり、さらには保険の補償に対する自分のニーズに合わせて最適な医療方法を選択し、海外での高額な医療費がかかるリスクを低減することができるようになる。また「創淨科技(Eleclean)」の創設者は米国のBest Home Health Care Incと提携協定を締結して、コロナ禍後における消毒目的の家電の商機に注目して、海外販売拠点を拡大する。
 さらに筋肉活動信号感知技術を開発する「酷手科技(Coolso)」は世界の半導体大手Qualcommの独立系ソフトウェアベンダ(ISV)と提携パートナーのテストを行う。また歩行支援ロボット技術を開発している「福寶科技(FREE Bionics)」はサンディエゴでチェーン展開するリハビリ診療所Reneu Healthと基本合意書を締結した。カーボンニュートラルのAI活用ソリューションを開発する「集思智能(Synergies Intelligent Systems)」も世界7位の石油会社Eniと概念実証(POC)に関する提携を行う。(2023年2月)

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