知的財産局が2022年「専利」トップ100を公表

　知的財産局は2022年専利出願及び公告・証書交付統計資料とランキングを公表した。特許、実用新案、意匠を含む専利の出願をみると、内国出願人としては台湾積体電路製造（Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Limited、以下「TSMC」）(1534件)が七連覇を達成した。外国出願人としてはApplied Materials（881件）が初めて首位を獲得した。専利の証書交付については、内国出願人としてTSMC（1196件）が、外国出願人としてはQualcomm（573件）がそれぞれ首位を獲得した。
　一、内国出願人の専利出願件数は5年連続成長、TSMCが七連覇
　内国出願人の専利出願件数トップ10をみると、半導体、ディスプレイ及び情報通信技術（ICT）の産業に集中しており、TSMC（1534件）は2016年から首位を守り続け、それに宏碁（Acer Incorporated）（530件）、友達光電（AU Optronics）（505件）が続いている。聯発科技（MediaTek Inc）（412件）も前年比で58％増加して過去3年の最高水準となった。南亞科技（Nanya Technology）（371件）と群創光電（Innolux Corporation）（336件）の出願件数もそれぞれ過去10年の最高記録を達成している。
　2022年内国出願人トップ100の専利出願件数は1万2771件に達し、年成長率は4％に上った。企業と学校の出願件数が増加しことで特許（9555件）と意匠（793件）がそれぞれ4％、14％成長しているほか、企業と研究機関の成長により意匠の出願（2423件）も3％成長している。
　二、金融機関としては合作金庫が専利出願トップ、兆豊銀行が特許出願首位
　内国出願人の専利出願件数トップ100に金融機関6行が入っており、合作金庫商業銀行（TCB Bank）は220件で最も多く、台湾銀行（Bank of Taiwan）が214件で2位となっている。兆豊国際商業銀行（Mega Bank）は専利出願件数（205件）では3位だが、特許出願件数（53件）だけをみると金融機関としては最も多い。また台新国際商業銀行（Taishin International Bank）は87件で初の専利出願件数トップ100入りを果たした。
　三、教育機関としては城市科大が専利出願首位、成功大学が特許出願で最多
　内国出願人による専利出願トップ100入りした教育機関28校のうち、台北城市科技大学（Taipei City University of Science and Technology）（162件）が三年連続で最多の教育機関となった。特許出願件数が最も多かったのは国立成功大学（National Cheng Kung University）（135件）で、国立陽明交通大学（National Yang Ming Chiao Tung University）（125件）、国立清華大学（National Tsing Hua University）（108件）、国立台湾大学（National Taiwan University）（77件）がそれに続いた。
　四、研究機関としては工研院が専利出願でトップ
　研究機関2機関が内国出願人による専利出願トップ100に入り、財団法人工業技術研究院（Industrial Technology Research Institute、略称「工研院」）（331件）が8位となり、研究機関としては最も多く、次いで財団法人金属工業研究発展中心（Metal Industries Research & Development Centre）（87件）が41位にランキングされた。
　五、外国出願人による専利出願件数は3年連続成長、Applied Materialsが初めて首位に
　外国出願人による専利出願トップ10をみると、半導体、情報通信技術及び化学の産業に集中しており、Applied Materials（881件）が初めて首位を占め、過去10年の最高記録を更新した。情報通信技術分野のQualcomm（763件）は2位となった。Samsung Electronics（675件）は過去10年の最高水準となり、3位に浮上した。また、Meta Platforms Technologies（293件）と信越化学（275件）が初のトップ10入りを果たしている。
　2022外国出願人による専利出願件数は1万4556件に達し、年成長率は3％に上った。この成長は主に、専利全体の90％を占める特許（1万3069件）が6％成長し、意匠（181件）も22％成長したことによるものである。（2023年2月）