公平取引法改正案の要旨説明

J990415Y4 1999年4月号(J4)

 公平取引法の一部を改正する法律案は1月15日、立法院(国会)にて採決が行われ、可決・通過し、23日付けの総統令により公布され、25日より発効しました。それでは、改正法案の要旨を次のとおり説明します。(詳しくは新旧条文対照表をご参照ください。)

一.市場の具体的競争状況への対応

 公平取引法第1011条独占事業の定期公告に関する規定を削除し、不正競争にかかわる事業が独占事業に関する条文の規制を適用するかどうかについて、公平取引委員会(以下は公取委という)は市場資料を調査して個別案件ごとに認定をする。

二.不正競争に対する規制の強化

 公平取引法第18条を修正して価格の自主決定の範囲を拡大して、一般の消耗日常用品についても価格を自由に決定できるようにする。同法第19条に競争を制限する行為をしてならない旨の文言を追加し、不正競争の制限対象をひろげる。

三.公平取引法の適用をより明確に具体化する

 公平取引法第20条の用語を修正して、その適用をより具体化する。公平法第46条に公平取引法がその他の法律と競合するときの適用可能性を高めることによって、その適用をさらに明確にする。

四.多層連鎖販売規定の明文化

 第23条ノ1234を新設して、多層的連鎖販売行為の管理規則を親法となる公平取引法に明文化させ、返品、組織からの脱退についても明確な規定をおく。

五.「司法より行政が先」原則の導入

 第35条は第36条と同じく、「司法より行政が先」原則を取り入れる。市場の独占力の濫用、共同行為、模倣行為、企業競争の妨害について直ちに刑罰を与えるというような旧条文は苛酷過ぎるという業者からの反映があり、かつ経済秩序行為の管理は行政レベルで処理すべきなので、同原則を導入して予め適度に警告をする。ただ、多層連鎖販売の管理に反する行為は違法の形態が明らかに重大であるため、それについては依然として現行の「行政、司法並行」原則を維持する。

六.処罰の効果を強化して不法行為の抑止を図る

 1.違法行為者を貧乏化させる。

  同法第353637条は違法行為に対する刑事罰の罰金刑の上限を百倍引き上げ、また第404142条の行政罰の過料の上限をも大幅に引上げることにより、不法行為を有効に抑止する狙いがある。

 2.公権力の行使を強める。

  公権力を強めるために、同法第4142条が、公取委が初回の違法行為について直ちに過料を科することができるようにし、これにより不法行為をなす業者を有効に抑止することが期待されている。


公平取引法新旧条文対照表 199925日より施行 

 

旧  条  文

改  正  条  文

付  注

10

 独占の事業は、左に掲げる行為をしてはならない。
1.
不公平な方法をもって直接又は間接に他の事業が競争に参与することを阻止妨害すること。
2.
商品の価格又はサービスの報酬に対して不当な決定、維持又は変更を行うこと。
3.
正当な理由をなくして取引の相手方に特別な優遇を与えさせること。
4.
その他市場地位を濫用する行為。
 独占の事業は中央主務官庁が定期的にこれを公告する。

独占の事業は、左に掲げる行為をしてはならない。
1.
不公平な方法をもって直接又は間接に他の事業が競争に参与することを阻止妨害すること。
2.
商品の価格又はサービスの報酬に対して不当な決定、維持又は変更を行うこと。
3.
正当な理由をなくして取引の相手方に特別な優遇を与えさせること。
4.
その他市場地位を濫用する行為。

独占事業の定期的公告に関する規定を削除する。今後、公取委は個別案件につき独占事業にあたるかどうかを認定する。

11

 事業の結合が左に掲げる場合の一に該当するときは、中央主務官庁に許可を申請しなければならない。
1.
事業の結合により、その市場占拠率が3分の1に達するもの。
2.
結合に参加した事業の一の市場占拠率が4分の1に達するもの。
3.
結合に参加した事業の一の前の会計年度の売上金額が中央主務官庁の公告した金額を超過するもの。
 市場占拠率が5分の1に達する事業は、中央主務官庁が定期的にこれを公告する。
 中央主務官庁は第1項の申請を受理したときは、2か月以内に許可又は不許可の決定をしなければならない。

 事業の結合が左に掲げる場合の一に該当するときは、中央主務官庁に許可を申請しなければならない。
1.
事業の結合により、その市場占拠率が3分の1に達するもの。
2.
結合に参加した事業の一の市場占拠率が4分の1に達するもの。
3.
結合に参加した事業の一の前の会計年度の売上金額が中央主務官庁の公告した金額を超過するもの。
 中央主務官庁は第1項の申請を受理したときは、2か月以内に許可又は不許可の決定をしなければならない。

独占事業の定期的公告に関する規定を削除する。今後、公取委は個別案件につき独占事業にあたるかどうかを認定する。

16

共同行為が認可を受けた後、認可事由の消滅、経済情況の変更、又は事業に認可の範囲を逸する行為があった場合には、中央主務官庁は、認可の取消し、認可内容の変更をし、又はその行為の停止もしくは改善を命ずることができる。

共同行為が認可を受けた後、認可事由の消滅、経済情況の変更、又は事業に認可の範囲を逸する行為があった場合には、中央主務官庁は、認可の取消し、認可内容の変更をし、又はその行為の停止もしくは改善を命じ、又は必要な是正措置を講ずることができる。

 

18

  事業はその取引の相手方が供給された商品を第三者に転売、又は第三者が再販売するとき、自由に価格を決定することを容認しなければならない。これに反する 約定があるときは、その約定は無効とする。但し、一般消費者の日常用品について、市場で自由な競争ができる同種類の商品があるときは、この限りでない。
 前項の日常用品は、中央主務官庁がこれを公告する。

 事業はその取引の相手方が供給された商品を第三者に転売、又は第三者が再販売するとき、自由に価格を決定することを容認しなければならない。これに反する約定があるときは、その約定は無効とする。但し、一般消費者の日常用品について、市場で自由な競争ができる同種類の商品があるときは、この限りでない。
 前項の日常用品は、中央主務官庁がこれを公告する。

価格を自由に決定できる範囲を拡大する。

19

左に掲げる行為の一に該当し、公正な競争を阻害するおそれがあるものは、事業はこれをしてはならない。

1.
特定の事業者を損害する目的をもって、他の事業者に当該特定事業者に対して供給、購買又はその他の取引を断絶させること。
2.
正当な理由なく、他の事業者を差別的に取り扱うこと。
3.
脅迫、誘引又はその他不当な方法を用いて、競争者の取引相手方を自己と取引するようにすること。
4.
脅迫、誘引又はその他不当な方法を用いて、他の事業者に価格上の競争、又は結合もしくは共同行為に参加させない行為。
5.
脅迫、誘引又はその他不当な手段を用いて、他の事業者の製造販売機密、取引の相手方の資料、又はその他技術に関する秘密を取得すること。
6.
取引の相手方の事業活動を不当に拘束する条件をもって取引すること。

左に掲げる行為の一に該当し、競争を制限し、又は公正な競争を阻害するおそれがあるものは、事業はこれをしてはならない。
1.
特定の事業者を損害する目的をもって、他の事業者に当該特定事業者に対して供給、購買又はその他の取引を断絶させること。
2.
正当な理由なく、他の事業者を差別的に取り扱うこと。
3.
脅迫、誘引又はその他不当な方法を用いて、競争者の取引相手方を自己と取引するようにすること。
4.
脅迫、誘引又はその他不当な方法を用いて、他の事業者に価格上の競争、又は結合もしくは共同行為に参加させない行為。
5.
脅迫、誘引又はその他不当な手段を用いて、他の事業者の製造販売機密、取引の相手方の資料、又はその他技術に関する秘密を取得すること。
6.
取引の相手方の事業活動を不当に拘束する条件をもって取引すること。

制限の対象を広げて不正競争の制限を強化する。

20

事業はその営業において提供する商品又は役務について、左に掲げる行為があってはならない。
1.
関 係大衆に周知されている他人の氏名、商号若しくは会社名称、又は商標、商品の容器、包装、外観若しくは他の商品を表示する表徴と同一若しくは類似のものを 使用し、他人の商品と混同誤認を生じさせ、又はその表徴を使用した商品を販売し、運送し、輸入し、若しくは輸入する行為。
2.
関係大衆に周知の他人の氏名、商号若しくは会社名称、標章又はその他他人の営業、役務を表示する表徴と同一若しくは類似のものを使用し、他人の営業又は役務にかかわる施設又は活動と混同誤認を生じさせる行為。

3.
同一商品又は同類商品において、登録を受けていない外国の著名商標と同一若しくは類似のものを使用し、又は当該商標を使用した商品を販売し、運送し、輸出し、若しくは輸入する行為。
 前項の規定は左に掲げる各号の行為についてはこれを適用しない。
1.
普通の使用方法で商品自体について慣習上通用している名称、若しくは取引上同類商品に慣用されている表徴を使用し、又は当該名称若しくは表徴を使用した商品を販売し、運送し、輸出し若しくは輸入する行為。
2.
普通の使用方法で取引上同種の営業又は役務において慣用する名称又はその他の表徴を使用する行為。
3.
善意で自己の氏名を使用する行為、又はその氏名を使用した商品を販売し、運送し、輸出し若しくは輸入する行為。
4.
前 項第1号又は第2号に掲げる表徴について、関係大衆に周知される以前からこれと同一若しくは類似のものを善意に使用した行為、又はその表徴の使用は当該善 意の使用者からその営業とともに承継して使用した行為、又は当該表徴を使用した商品を販売し、運送し、輸出し若しくは輸入した行為。
 事業が他の事業が前項第3号及び第4号の行為をなすことにより、その営業、商品、施設若しくは事業活動が損害を受け、又は混同を生じるおそれがあるときは、他の事業に対して適当な表徴の付記を請求することができる。但し、商品を運送するのみの場合は、これを適用しない。

事業はその営業において提供する商品又は役務について、左に掲げる行為があってはならない。
1.
関係事業又は消費者に通常認識されている他人の氏名、商号若しくは会社名称、又は商標、商品の容器、包装、外観若しくは他の商品を表示する表徴と同一若しくは類似のものを使用し、他人の商品と混同誤認を生じさせ、又はその表徴を使用した商品を販売し、運送し、輸入し、若しくは輸入する行為。
2.
関係事業又は消費者に通常認識されている他人の氏名、商号若しくは会社名称、標章又はその他他人の営業、役務を表示する表徴と同一若しくは類似のものを使用し、他人の営業又は役務にかかわる施設又は活動と混同誤認を生じさせる行為。
3.
同一商品又は同類商品において、登録を受けていない外国の著名商標と同一若しくは類似のものを使用し、又は当該商標を使用した商品を販売し、運送し、輸出し、若しくは輸入する行為。
 前項の規定は左に掲げる各号の行為についてはこれを適用しない。
1.
普通の使用方法で商品自体について慣習上通用している名称、若しくは取引上同類商品に慣用されている表徴を使用し、又は当該名称若しくは表徴を使用した商品

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