報導記事の証拠提出で黒店商標を保持

2013-12-30 2012年

■ 判決分類:商標権

I 報導記事の証拠提出で黒店商標を保持

■ ハイライト
 三力食品有限公司が有していた「黒店」商標が、知的財産局から「登録後、正当な理由なき未使用又は使用停止継続が満3年である」という理由で登録を取消された。そこで知的財産裁判所に行政訴訟を提起し、三力公司は特別に「台湾新聞報」の報道記事を証拠として提出し、更に、台塩公司七股塩場販売所の管理を担当していた王課長の出廷により、証言を得た。その結果、合議審の審理を経て当該商標が3年以内に確かに使用されていたと認められ、三力食品公司勝訴の判決が下った。なお、本件は上訴することができる(自由時報/2012-04-05/A13版)。

II 判決内容の要約

知的財産裁判所行政判決
【裁判番号】100年度行商訴字第143号
【裁判期日】2012年3月29日
【裁判事由】商標取消

原告 三力食品有限公司
被告 経済部

上記当事者における商標取消事件について、原告は経済部2011年8月23日付経訴字第10006103190号訴願決定を不服とし、行政訴訟を提起した。本裁判所は参加人に本件被告の訴訟に独立参加するよう命じた上、以下のように判決する。

主文
訴願決定を取消す。
訴訟費用は被告の負担とする。

一 事実要約
訴外人黄佩玉が2000年2月29日に「黒店」商標を、当時の商標法施行細則第49条所定の商品及び役務分類表第42類の「ホットコールドドリンク店、飲食店、軽食店、セルフサービスレストラン」役務に使用を指定して、被告に登録出願し、経済部知的財産局(以下、原処分機関と称する)の審査を経て、第136256号商標(以下、係争商標と称する)として登録を許可された。そして黄佩玉は2005年8月11日に王承宗と商標許諾契約を結び、王承宗に当該契約締結日より2010年12月31日まで係争商標の使用を許諾した。その後、参加人が2009年7月6日に係争商標には登録後正当な理由なき未使用又は使用停止継続が満3年である事情があるので、商標法第57条第1項第2号規定に違反しているとして、原処分機関にその登録取消しを請求した。しかし、黄佩玉は同年11月6日に係争商標を原告に移転し、原処分機関もそれを許可して公告した。本件は原処分機関の審理の結果、2010年12月24日中台廃字第980139号商標取消処分書を以って「請求不成立」処分となった。参加人はこれを不服として訴願を提起したところ、被告は2011年8月23日付経訴字第10006103190号決定書を以って「原処分を取消す。原処分機関は別途適法な処分をしなければならない」と決定した。これを受け原告は本裁判所に行政訴訟を提起した。

二 両方当事者の請求内容
(一)原告の声明:被告の訴願決定を取消さなければならない。
(二)被告の声明:原告の訴えの棄却。

三 本件の争点
本件の争点は、係争商標に同年8月25日改正公布の商標法(即ち現行商標法)第57条第1項第2号所定の登録を取消すべき事情があるかどうか。

四 判決理由の要約
(一)(第1項)商標登録後下記の事情の一がある場合、商標専属専任機関は職権又は請求に基づき登録を取消さなければならない。正当な事由なく未使用又は使用停止の継続が既に満3年、但し被許諾者が使用している場合、この限りではない。(第3項)第1項第2号規定の事情があり、取消請求時に当該登録商標を既に使用していた場合は、他人が取消請求することを知って取消請求前の3ヶ月以内に使用を開始した場合を除き、その登録を取消さないと、商標法第57条第1項第2号、第3項で定められている。原告は係争商標の登録取消請求日(2009年7月6日)までの3年以内に係争商標を「ホットコールドドリンク店、飲食店、軽食店、セルフサービスレストラン」服務に使用していた事実、そしてその使用が商業取引習慣に合致していることを証明する関連証拠を提出しなければならない。

(二)原告の前の権利者である黄佩玉と王華宗は2005年8月11日に商標許諾契約書を締結しており、その際黄佩玉が王華宗に係争商標の使用を許諾している。そして王華宗と台塩公司が臨時展示販売出店用地賃貸契約を結んだことは、台塩公司七股塩場臨時展示販売出店用地賃貸契約書のコピー、台塩公司七股塩場が王華宗に発行した清掃費用の発票(領収書)コピーがファイルにあるので、確認することができる。

(三)証人王景田(2002年6、7月から2010年1月31日まで、台塩公司七股塩場販売店の店長であった)は、王華宗が多年にわたり台塩公司七股塩場で「黒店」を経営していたと陳述し、並びにその看板に「黒店」の二文字を使用して営業していたと証言したことは、信用することができる。

(四)以上をまとめると、係争商標の被許諾者王華宗は、確かに本件登録取消請求日(2009年7月6日)までの3年以内に係争商標を「ホットコールドドリンク店、飲食店、軽食店、セルフサービスレストラン」の役務に使用していた。従って、原処分機関が係争商標の登録には、商標法第57条第1項第2号の事情がないと認めて、「請求不成立」の処分を下したことに不適切な点はない。

本件の事実証拠は明らかであり、双方及び参加人による他の主張や答弁も、既に本裁判所の判決結果と関わりがないので、逐一論述しないことを、ここに併せて説明する。

以上により、本件原告の訴えには理由があると論結し、知的財産案件審理法第1条、行政訴訟法第98条第1項前段に従い、主文のとおり判決する。

2012年3月29日
知的財産裁判所第一法廷
審判長裁判官 李得灶
裁判官 何君豪
裁判官 蔡惠如

 

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