金門酒廠の商標権を侵害、金門浯江酒廠に賠償金20万新台湾ドル支払命令判決

J170408Y2 2017年5月号(J213)
    「金門高粱酒」で有名な金門酒廠実業股份有限公司(Kinmen Kaoliang Liquor Inc.、以下「金門酒廠」)は金門浯江酒廠実業股份有限公司(以下「金門浯江酒廠」)が利益をむさぼるため、それが製造販売する「金門53°高粱酒」に金門酒廠の商標に類似する「金門及び金門島嶼図」を使用して、合計100万人民元の利益を得て、金門酒廠の商標権を侵害したとして、金門浯江酒廠に165万新台湾ドルの賠償金を請求していた。知的財産裁判所は先日、金門浯江酒廠に対して、金門酒廠に20万新台湾ドルの賠償金を支払うよう命じるとともに、「金門」、「金門KIN-MEN」及び「KINMEN及び図」商標と同一又はそれに類似する図案を酒類の商品及び役務、商品の包装、看板、サイト、広告又はその他の表徴(トレードドレス)に使用することを禁じる判決を下した。
    金門酒廠は以下のように主張した。金門浯江酒廠が製造する「金門53°高粱酒」は商品上に「金門島嶼圖」と「金門」の文字を標示しており、金門酒廠の「金門」等商標の高い知名度にただ乗りし、消費者の注意を惹き、消費者に「金門53°高粱酒」と金門高粱酒の出所が同じである、又は両者の間に関連企業、使用許諾、加盟等の関係があると誤認させており、商標法に違反している。
    一方、金門浯江酒廠は以下のように反論した。「金門」、「金門KIN-MEN」及び「KINMEN及び図」商標はそれぞれ「金門」、「KIN-MEN」、「KINMEN」及び「金門島嶼図」から構成されており、いずれも指定商品の産地である金門及び関連の特性の説明を描写したものであり、識別性を有さない。「金門53°高粱酒」商品にある「金門島嶼図」及び図の中の「金門」という文字は商標として使用したものではない。該商品は金門浯江酒廠が廈門○○公司の注文を受け、特別に製造して中国へ輸出したもので、プレゼントとして使用されており、台湾では販売していないため、国内の消費者に誤認混同を生じさせることはない。
    知的財産裁判所の裁判官は、「金門」はすでに消費者が高粱酒を区別するときの依拠となっており、その他の中国語や図形の有無を問わず、指定商品である食用酒類においては商品の出所を示す機能をすでにそなえ、識別性を有していると認めた。しかしながら、「金門53°高粱酒」のボトルラベルの図案全体は金門高粱酒との違いが大きいため、裁判官は本件の権利侵害の状況と主観的な悪質性は重大ではなく、金門酒廠が請求している賠償金165万新台湾ドルは高すぎ、20万新台湾ドルまで減額すべきだとの判決を下した。全件につき、さらに上訴できる。(2017年4月)
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